空気投げのやり方

空気投げの手順は三船十段の著書『柔道の真髄 道と術』に書き残されています。

--『柔道の真髄 道と術』より--
実際1 双方右自然体に組んだ場合は、右手で、相手の左えりをとるのであるが、両そでを持った形で説明する。
まず、右手で、相手の左うで下を順にとり、自分の右足を、自分の左足のかかとうしろあたり前方にださせるや、下腹部に力をいれて、上体をまっすぐに、重心は低く、自分の左足を、相手の右足の横外にふみだしながら、相手をその後すみに浮かしくずし、腰のすわる前の一瞬、右手でおしあげ、左手ではひきくずして、すばやく、投げ倒すのである。
~略~
実際1の場合、右足の位置が、移動したときは、すでに左足が、目的の場所にあること
~略~
※写真は『三船名人 アルバム集』より 徳三宝との模範乱取
 写真右は空気投げが決まる瞬間のようです。

空気投げの映像は三船十段の記録映画DVD『柔道の真髄』に少しだけ収録されています。

空気投げ研究を始めた頃、映像だけをみて著書の説明は見ないようにしました。
映像から試行錯誤で研究を進めて、(おそらく手順はこうだ。)と思った後で、答え合わせの意味で三船十段の説明を確認する方法を取ったのです。
映像のみを頼りにした技の研究は得るものが大きかったです。

2016/06/12に公開

手順を元に研究を始めていたら、たとえ有効であっても手順から外れたことは試しもしなかったかも知れません。誰かがくれたアドバイスも手順と異なる内容だったらあまり重要に思えなかったかも知れません。

空気投げの手順を理解した後に、どうすれば手順通り出来るのか(相手が抵抗出来ずに投げられるのか)を研究する必要がありました。
それは空気投げの手順をなぞる練習からは気づけないものでした。
・丈夫なまま動ける姿勢
・体幹部の力を腕に伝える動作
・重心の移動を相手に伝える動作
・気配無く楽に動く動作

映像にも著書にもないものは、自分で発見しなおす必要がありました。
発見の助けになったのはこれまで練習してきたトレーニングや武術稽古でした。

空気投げのやり方は拙盤DVD『空気投げの極意』に収録しました。

短時間ですが三船十段が若かりし頃の貴重な空気投げ映像も収録しています。

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